看多機とは、正しくは看護小規模多機能型居宅介護と呼ばれる複合型の看護サービスを指す言葉です。小規模多機能という名前の通り、このサービスは宿泊・訪問介護・訪問看護のサービスを利用者に合わせて組み合わせて利用することで満足度が高く、かつムダのない効率的な看護業務を行えるのが特徴です。
例えば利用者は、運動能力や習慣に合わせて「週に2日だけ通所し、残りの日は看護師に家に来てもらって看護を受ける」といったことが可能です。通所は通所、在宅は在宅できっぱりと分けずに、自由に組み合わせることで、「通所が望ましいが、できるだけ自宅療養したい」というニーズに答えたり、「普段は自宅療養でなければ厳しいが、日によって通所して体を動かす機会を得たい」という意欲のある利用者の希望に沿うことができます。
利用者にとってもメリットの多い看多機ですが、事業者側にもいくつかのメリットがあります。
一つは利用者が自宅療養を望む分だけ看護の負担が減りやすくなることです。このサービスの利用者には、自分でできることは自分でやりたいという意欲を持つ人が多い傾向があるためです。
また看多機のサービスは月定額制となっており、利用者にとっては出費が大きくなりすぎないメリットがありますが、事業者にとっても月々の収入が安定するという側面があります。これによって仮に利用者の週や月単位の利用回数が減っても収入が減少することがなく、安心して施設を運営できます。